大正期に建てられた数寄屋風書院の邸宅「愛山荘」

大正期に建てられた福井県越前市若竹町の大規模な数寄屋風書院の邸宅「愛山荘」。日野山を借景にした回遊式庭園とともに、情緒あふれる景観が訪れる人の心を和ませます。

愛山荘は地元の名士が隠居後の別邸として1916年に建築されました。敷地面積約5500平方メートルで、木造2階建て延べ床面積435平方メートルの建物は、主屋と離れで構成されています。建物正面が質素な構えを見せる一方で、離れの前室は天井に「追い回し」と呼ばれる贅沢なデザインを用い、椅子を置いて当時のステータスとされた洋風の生活スタイルを取り入れています。

主屋の座敷からは越前富士「日野山」を望むことができます。敷地内には約100本の梅の木やツツジ並木が広がり、四季折々の緑や花で季節を感じとることが出来ます。早春には梅が咲き始め、春にはきゃらぼく、ドーダンツツジの新芽が美しく、桜やツツジが咲き乱れ、梅雨時期にはアジサイ、夏にはやまぼうしやさるすべり秋には色鮮やかな紅葉、きんもくせいそして冬にはさざんか・椿の花が咲き、常緑樹の枝を雪が飾ります。

また、敷地内には茶室や重厚な土扉が印象的な蔵座敷などを、屋根付きの渡り廊下がつなぎます。欄間には鳥や松の彫刻が施されるなど、随所で日本伝統の意匠を感じ、古きよき時代の面影を残した美しい表情が時を越えてゆっくり伝わってきます。越前市ゆかりの絵本画家いわさきちひろの絵も展示しており、見る人の心を和ませることでしょう。